2023年4月
広報委員会 菅原(関西大)
リスク学は,きわめて分野横断的な学術領域です。また,社会的課題への取組など実践的営みとも関わりが深いという性質上,常に発展途上であり続ける分野ともいえます。他方,本会は設立から30年以上が経過し,『リスク学研究』に掲載された論文や論考は,いまや800編以上に達しています(前身誌『日本リスク研究学会誌』も含む)。
今般,本会広報委員会は,リスク学における「最も影響力のある論文群」(MIP: Most Influential Papers)を会員の皆様とともに選定して議論する,「MIPプロジェクト」を企画いたしました。ここで「影響力を持つ」(influential)論文とは,リスク学の発展にとって重要な意義を持っていると思われる論文のみならず,会員の皆様がご自身の研究や実践を進める上で刺激を受けた論文も含みます。
学術論文の「良さ」や「重要性」を単純に表現することは困難ですが,多くの人に読まれ議論の対象となる論文は,当該分野の基礎を形作るとともに,新たな研究活動にも方向性を与えてくれます。本プロジェクトは,リスク学の包含する様々な分野について,会員の皆様とともにMIPの選定と議論の場を設け,本会活動の活性化に資するとともに,リスク学の発展の歴史を改めて振り返り,リスク学の基盤強化とさらなる発展を目指すものです。
●タスクグループによるMIPの選定流れ
① 7月末を目途に,下記ジャーナルに掲載されたリスク学の論文から,各タスクグループのテーマにとって最も影響力のあると思われる論文(MIP)を一つ選定します。
-リスク学研究 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjra/-char/ja
-日本リスク研究学会誌 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/sraj/-char/ja
-Risk Analysis https://onlinelibrary.wiley.com/journal/15396924
-Journal of Risk Research https://www.tandfonline.com/journals/rjrr20
※ゲストエディターが承諾した場合には,4 誌の論文以外を選定することも可能です
② 同じく7月末を目途に,①で選んだ論文のレビュー原稿を執筆していただく方の選定します。
③ 10月末を目途にレビュー原稿を執筆していただき,査読プロセスを経て,2023年度末刊行予定の『リスク学研究』33巻4号への掲載を目指します。
●ご参考
MIPの選定に活用するために、『リスク学研究』『日本リスク研究学会誌』に掲載された論文のリストを,下記にExcelデータとして掲載しています。なお、CiNiiからの機械的抽出に基づいて整理したためデータの一部に重複や漏れがあるほか,著者名の多くが脱字となっていますが,ご了承ください。
リスク学研究一覧(1989~2023)(2020年4月現在)